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2024.10.17

ISO27001の管理策5.10「情報及びその他の関連 資産の許容される利用」


ISO/IEC 27001は、組織の情報セキュリティ管理システム(ISMS)において、情報資産を保護するための具体的な管理策を提供しています。その中でも「情報及びその他の関連資産の許容される利用」は、情報資産がどのように利用されるべきかを明確に定め、誤用や不正使用を防止するための重要な管理策です。

1. 許容される利用の目的

「情報及びその他の関連資産の許容される利用」に関する管理策は、組織内の情報資産(データ、システム、ネットワーク、デバイスなど)がどのように適切に使用されるべきか、従業員や関係者に対して明確なガイドラインを提供することを目的としています。このガイドラインを定めることで、情報の不正利用や誤った扱いによるセキュリティインシデントを防止し、組織のセキュリティ水準を維持・向上させます。

2. 許容される利用の範囲

許容される利用のガイドラインは、以下のような資産に対して適用されます。
情報資産: 機密情報、業務データ、顧客情報、知的財産などのデータ。
ハードウェア資産: 組織が提供するコンピュータ、モバイルデバイス、サーバー、ネットワーク機器など。
ソフトウェア資産: アプリケーション、オペレーティングシステム、ライセンスされたプログラムなど。
人的資産: 組織内の従業員や外部委託先が情報やシステムにアクセスする際の行動。

3. 許容される利用を定める方法

許容される利用を定めるためには、まず各資産の性質やリスクを把握し、次にその資産がどのような目的で利用されるかを明確にします。例えば、以下のような点を考慮する必要があります。
アクセス権限: 誰がどの情報やシステムにアクセスできるかを定め、その範囲を明確にします。特に機密性の高い情報には、アクセス権限を厳しく制限することが重要です。
使用目的: 情報資産は業務上の目的でのみ使用されるべきであり、私的な利用は禁止される場合が多いです。例えば、会社のメールやネットワークを私的な目的で使用することは制限されることがあります。
セキュリティ対策: 許容される利用には、適切なセキュリティ対策(パスワードの強化、暗号化、定期的なソフトウェアのアップデートなど)が伴うことを求めることが一般的です。これにより、資産が適切に保護されます。

4. 許容される利用違反への対応

ガイドラインに違反した場合、組織はそれに対する適切な対応をあらかじめ定めておく必要があります。違反が発生した際には、迅速に対応し、再発防止策を講じることが求められます。例えば、違反行為を行った従業員に対しては、警告や懲戒処分が行われる場合もあります。
また、重大な違反が発生した場合には、組織全体の情報セキュリティに影響を与える可能性があるため、インシデント対応計画に基づき、即座にリスクを緩和するための措置を講じる必要があります。

5. ガイドラインの周知と教育

許容される利用のガイドラインを定めた後は、それを従業員や関係者にしっかりと周知し、理解してもらうことが重要です。これには、定期的なセキュリティトレーニングや教育プログラムの実施が含まれます。従業員がガイドラインを正しく理解し、それを実行に移すことで、組織全体のセキュリティ水準が高まります。

6. 許容される利用の見直し

技術の進化や組織の業務の変化に伴い、許容される利用のガイドラインは定期的に見直す必要があります。新しいセキュリティリスクや規制が発生した場合、これに対応するためにガイドラインを更新し、最新の状況に適合させることが求められます。

まとめ

ISO/IEC 27001における「情報及びその他の関連資産の許容される利用」は、情報資産を適切に保護し、組織全体でセキュリティを維持するために不可欠な管理策です。許容される利用のガイドラインを策定し、従業員に周知することで、情報資産の誤用や不正利用を防ぎ、組織の情報セキュリティを強化することができます。定期的な見直しと継続的な教育を通じて、最新のリスクにも対応できる体制を整えることが重要です。

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