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2025.02.04

ISO 27001の管理策 5.15「アクセス制御」とは? 情報資産を守るための対策を解説!

1. はじめに

ISO 27001は、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格であり、組織の情報資産を保護するための基準を定めています。その中でも**管理策5.15「アクセス制御」**は、情報への不正アクセスを防ぎ、適切なユーザーだけが必要なデータにアクセスできるようにするための重要な管理策です。
企業のデジタル化が進み、クラウドサービスやリモートワークの利用が一般的になった今、適切なアクセス制御を実施しないと、内部不正やサイバー攻撃による情報漏えいのリスクが高まります。本記事では、管理策5.15の目的、アクセス制御の方法、実施のポイントについて詳しく解説します。

2. 管理策5.15「アクセス制御」の目的

アクセス制御とは、「誰が」「どの情報に」「どのような条件で」アクセスできるかを管理する仕組みです。
適切なアクセス制御を実施することで、以下の3つの目的を達成できます。

情報の機密性を維持する
必要なユーザーだけが機密情報にアクセスできるようにし、不正アクセスを防ぐ。
内部不正や誤操作を防止する
権限を厳格に管理することで、従業員による誤操作や意図的な情報漏えいを防ぐ。
法令・規制の遵守
GDPR、個人情報保護法、金融・医療業界の規制などに適合するための基盤を作る。

3. アクセス制御の主な方法

ISO 27001では、アクセス制御の実施方法として、以下のような4つの主要な原則を採用することを推奨しています。

(1) 最小権限の原則(Principle of Least Privilege, POLP)
必要最低限の権限のみを付与する。
例えば、一般社員が会社の財務情報にアクセスできる必要はない。
**「管理者権限の乱用」や「不必要なアクセス」**を防ぐ。
(2) 職務分離の原則(Separation of Duties, SoD)
1人のユーザーがすべての操作を行えるようにするのではなく、役割を分ける。
例えば、「発注」と「支払い」を同じユーザーが行えないようにすることで、不正を防ぐ。
(3) アクセスの認証と識別
強固なパスワードポリシーの設定(例:最低12文字、英数字・記号を含む)
**二要素認証(2FA)や多要素認証(MFA)**の導入
**シングルサインオン(SSO)**を活用し、セキュリティを維持しながら利便性を向上
(4) アクセス権の管理と監視
定期的なアクセス権限の見直し(例:半年ごとに不要な権限を削除)
ログ管理を行い、不審なアクセスを検知する(例:SIEMの導入)
自動アラートを設定し、異常なアクセスが発生した際に即座に対応できるようにする

4. 具体的なアクセス制御の実施方法

(1) ユーザー認証の強化
**二要素認証(2FA/MFA)**を全社的に導入する。
パスワード管理ツールを活用し、従業員のパスワード強度を向上させる。
(2) アクセス権限の適正管理
新入社員や異動・退職者の権限を即時更新する。
「入社時に管理者権限を付与したまま放置」というケースを防ぐ。
**RBAC(ロールベースアクセス制御)**を導入し、役割ごとに権限を管理する。
(3) アクセスログの監視と分析
SIEM(Security Information and Event Management)を活用し、リアルタイムでアクセスログを監視。
例えば、「休日に深夜2時に海外から管理者権限でログイン」などの異常を検知。
アクセスログを半年~1年分保存し、インシデント発生時の調査に活用する。
(4) クラウドサービスのアクセス制御
**CASB(Cloud Access Security Broker)**を導入し、クラウド環境での不正アクセスを防ぐ。
例えば、社内PCからはGoogle Driveにアクセスできるが、個人PCからはアクセス不可にするなどの制御を行う。

5. アクセス制御の導入ポイント

ポリシーと手順の明確化
「どのユーザーが、どの情報に、どの条件でアクセスできるのか?」を明文化する。
従業員への教育と啓発
「なぜアクセス制御が必要なのか?」を理解してもらうための定期的なセキュリティ研修を実施。
**「パスワードの使い回し禁止」「管理者権限の危険性」**などを教育。
定期的なアクセス権の見直し
半年に一度、**「不要な権限がないか」**をチェックし、不要な権限を削除する。
退職者アカウントの即時削除を徹底する。
テクノロジーの活用
IAM(Identity and Access Management)ツールを導入し、アクセス管理を自動化。
ゼロトラストアーキテクチャを採用し、「信頼せず常に検証する」体制を構築。

6. まとめ

ISO 27001の管理策5.15「アクセス制御」は、組織の情報を守るための基本的かつ重要な管理策です。適切なアクセス制御を行うことで、不正アクセスや情報漏えいのリスクを最小限に抑えることができます。

特に、最小権限の原則、強固な認証、定期的なアクセス権の見直し、ログ監視などの対策を徹底することで、安全な情報管理が可能になります。

組織のセキュリティレベルを向上させるために、本記事を参考に効果的なアクセス制御を導入しましょう!

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