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2025.03.16 AIMS

ISO/IEC 42001におけるリスクアセスメントとリスク対応とは?AIリスク管理のポイントを解説


AIの活用が進む中、その適正な管理が求められています。
AIの判断が誤ったり、意図しないバイアスが発生したりすると、企業や社会に大きな影響を及ぼす可能性があります。
そこで、国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)は、AIの管理を適切に行うための国際規格**「ISO/IEC 42001:2023」**を策定しました。

この規格では、AIのリスク管理の重要性が強調されており、企業や組織がAIを導入・運用する際に、リスクアセスメント(リスク評価)とリスク対応を適切に実施することが求められています。本記事では、ISO 42001が求めるリスクアセスメントとリスク対応の具体的な内容について解説します。

1. ISO 42001におけるリスクアセスメントとは?

リスクアセスメントとは、AIの設計・開発・運用において発生し得るリスクを特定し、評価し、適切に対策を講じるプロセスのことです。ISO 42001では、AIのリスクを以下のような観点から分析することが求められています。

① AIの倫理的・社会的リスク

AIの判断にバイアスや差別が含まれていないか、プライバシーを侵害していないかといった倫理的な問題を評価します。特に、AIが特定のグループに不公平な影響を与えていないかどうかを確認することが重要です。
例:
採用AIが性別や年齢によって候補者を差別していないか?
顔認識AIが特定の人種に対して精度が低くなっていないか?

② AIの技術的リスク

AIモデルの精度や安全性、予測の正確性に関するリスクを評価します。AIが誤った判断をする可能性や、外部からの攻撃(敵対的サンプルなど)による影響を考慮する必要があります。
例:
医療AIが誤診をするリスクはどの程度あるか?
チャットボットが誤情報を拡散する可能性は?

③ AIの運用・セキュリティリスク

AIシステムの運用中に発生するリスクを特定します。
AIのデータが不正に改ざんされるリスクや、システムがハッキングされる可能性を評価することが求められます。
例:
AIのトレーニングデータが改ざんされるリスクは?
AIが誤ったデータを学習してしまうリスクは?

2. ISO 42001が求めるリスク対応とは?

ISO 42001では、リスクアセスメントの結果をもとに、適切なリスク対応を行うことが求められています。主なリスク対応の方法には以下のようなものがあります。

① リスクの低減(リスク軽減策の実施)

リスクが特定された場合、その発生確率や影響を軽減するための対策を講じることが求められます。
対策例:
AIの学習データを多様化し、バイアスを最小限に抑える
AIモデルのテストを厳格化し、誤判断を事前に検出する

② リスクの回避(AIの適用範囲の制限)

リスクが高すぎる場合、AIの適用範囲を制限することでリスクを回避することも選択肢となります。
対策例:
高リスクなAI(例:自動運転AI)の導入を慎重に検討し、人間の監視を強化する
AIの自動決定を制限し、最終的な判断を人間が行う(ヒューマン・イン・ザ・ループ)

③ リスクの監視(継続的なモニタリング)

AIの運用中にリスクが新たに発生する可能性があるため、定期的な評価と改善を行うことが重要です。
対策例:
AIモデルのパフォーマンスを定期的に測定し、異常があれば修正する
AIの決定が不適切だった場合に、人間が介入できる仕組みを導入する

④ リスクの移転(保険や外部委託の活用)

一部のリスクは、自社で管理するのではなく、外部に移転することで対応できます。
対策例:
AIのサイバーセキュリティリスクに対して保険を契約する
AIシステムの監査を第三者機関に委託する

3. まとめ:ISO 42001のリスクアセスメントとリスク対応の重要性

ISO/IEC 42001では、AIのリスクを適切に管理するためのフレームワークが求められています。企業がAIを活用する際には、以下の3ステップを意識することが重要です。

1️⃣ リスクアセスメント:AIの倫理的・技術的・セキュリティリスクを特定・評価する
2️⃣ リスク対応:リスクの低減・回避・監視・移転のいずれかの方法でリスクを管理する
3️⃣ 継続的な改善:AIの運用状況を定期的にチェックし、必要に応じて対策を強化する

ISO 42001に準拠することで、AIの安全性・透明性・信頼性を向上させることができ、企業の競争力強化にもつながります。
AIのリスク管理を適切に行い、社会にとって有益なAIシステムを構築していきましょう。

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