サプライチェーンセキュリティ評価制度の構築方針において、技術的な柱となっているのが、米国国立標準技術研究所(NIST)が策定した「NIST CSF(サイバーセキュリティフレームワーク)」です。特に最新の2.0版では「ガバナンス」が強調されており、組織全体の管理体制が厳しく問われます。
1. 評価基準のグローバルスタンダード化
日本独自のガラパゴス的な基準ではなく、国際標準に準拠した評価軸が採用されます。これにより、海外企業との取引時にもそのまま活用できる「共通言語」が生まれます。
- 特定(Identify): どの資産が重要か、どのベンダーがリスクか。
- 防御(Protect): 多要素認証(MFA)や特権ID管理の実装。
- 検知(Detect): EDR/SOCによる異常の早期発見。
- 対応・復旧: インシデント発生時の報告ラインと復旧計画。
2. セキュリティ・レーティングツールの台頭
制度構築方針の中で注目されているのが、「セキュリティ・レーティング(格付け)」ツールの活用です。これは、外部から公開情報を収集し、以下を自動評価する仕組みです。
- パッチの未適用状況(OS、ミドルウェア)。
- 設定不備(クラウドストレージの公開設定など)。
- ダークウェブでの漏洩情報の有無。
実務担当者は、今後「自社のスコア」を常に監視し、低下した場合には即座に修正する運用体制(EASM:External Attack Surface Management)を構築する必要があります。
3. ソフトウェア・サプライチェーン(SBOM)の義務化
製品に含まれるソフトウェアの「成分表」であるSBOM(Software Bill of Materials)の管理も、評価制度の重要なパーツです。どのライブラリに脆弱性があるかを瞬時に特定できる体制が、評価の分かれ目となります。