仕事をしていると必ず機密文書は発生します。
顧客から預かる資料、社内で作成する企画情報や人事情報など、挙げるときりがありません。
これらは必ずどこかで廃棄というフェーズが発生します。
廃棄手段は様々でシュレッダーをはじめ、最近は手間やコスト面とともにパフォーマンスが良くなっている溶解処理が流行ってきている状況です。
今回は情報セキュリティ上のリスク等を踏まえて、機密文書の溶解処理について解説していきます。
溶解処理とは
そもそも溶解処理とはなんでしょうか?
この方法は書類を液体でバラバラに溶かす処理方法を指します。
溶解処理は預かった状況(段ボールに入れたまま)でそのまま廃棄可能なので、書類をばらしたりする手間がかからないことも多いです。
シュレッダーは裁断の手間や機械の性能によっては断片から情報が判読される可能性も残ります。溶解処理だと紙が完全に溶けた状態となり、情報を読み取ることは不可能となります。
また、溶解処理後はリサイクルされることも多くあり、環境配慮の観点からもメリットがあると言えます。
溶解処理のメリット・デメリット
溶解処理を行うメリット・デメリットをピックアップすると下記のような形になります。
【メリット】
シュレッダーによる裁断よりだと、「バインダーから外す。」、「ホチキスを外す」、「シュレッダーにかける」という手間が必ず発生します。
これらを時間に換算すると結構なコストになります。
溶解処理だと、箱に詰めて渡すだけなので、コストを比較するとかなり工数の削減を図ることが可能です。
【デメリット】
まず、自社で処理を行うことが出来ません。
必ず外部の専門業者に依頼することになるため、お金が必ずかかります。
その上で、業者が数多くいる世の中なので、業者の良し悪しが必ずあります。
また、少量ですと費用対効果が悪い可能性もあり、ある一定量をためることが推奨されます。
業者選定の注意点
機密文書の廃棄業者選定にあたっては下記5つのポイントが挙げられます。
1:情報セキュリティ・個人情報保護の認証を取得しているか
やはり、ISMSやプライバシーマークと言った情報セキュリティ・個人情報保護の認証を取得しているかは重要な選定ポイントになります。
これら以外にもQMS(ISO9001)を取得しているかで業務の品質管理を行っているかも選定のポイントであると言えます。
また、その際にチェックするポイントのベスト3としては下記があります。
情報セキュリティ管理に係る社内方針や社内規程の有無
点検・監査などの規程の有無
従業員に対して教育・研修の実施有無
2:証明書を発行してくれるか
廃棄したことを証明する証明書の発行は必須です!
これがないと万が一の時にお互いにちゃんと廃棄したかの確証が取れないですし、担保として重要なポイントになります。
溶解処理サービスを提供している業者でも、外部の最終処理工場で溶解処理を行っていることもあります。最終処理した業者の証明書も一緒に記載(添付)しているかを確認することも重要になります。最終処理された業者の証明書がない場合、途中で焼却処分などされていても判断ができなくなってしまいます。
3:輸送時の密封方法はどうなっているか
輸送時の方法も確認が必要です。
輸送時に他の箱に紛れて処分場に到着しなかった。なんてことがあるとインシデントになります。
また、交通事故等が起きた際の対応がどうなっているか。や事故が起きても外に舞い散らないようになっているかなども確認が必要です。
4:段ボールを未開封状態で溶解処理を依頼可能か
最終処理がなされる過程において、箱の開封が発生するとどこかで紙が紛失等していしまう可能性があります。
そのリスクを未然に防ぐためには未開封のまま処理してくれる業者の選定が重要であると言えます。
5:最終処理を直接確認させてもらえるか
最後は最終処理の現場を希望すれば見学等させてもらえるかです。
やはり視覚的に現場を見ている方が安心できます。
自社が預けた書類の廃棄現場はもちろんですが、契約前に現場を見学させてもらうことが出来る業者を選定できる方が社内の説得もしやすくなります。
このように機密文書の廃棄手段・業者選定のポイントを解説してきました。
当社では、コンサルティングの中でこれまでの知見・経験を活かし業者選定のお手伝いも実施しております。
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