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2024.10.17

ISO27001の管理策5.9「情報及びその他の関連 資産の目録」について


ISO/IEC 27001は、情報セキュリティ管理の国際標準規格であり、組織が情報資産を保護するための枠組みを提供します。その中で重要な管理策の一つが「情報及びその他の関連資産の目録」です。この管理策は、組織が保有する全ての情報資産を特定し、それらを一元的に管理するためのリストを作成することを目的としています。

1. 資産目録の重要性

組織にとって、情報やそれに関連する資産は非常に重要です。これらの資産がどのような形で存在し、どの程度の価値があり、どのようなリスクにさらされているかを正確に把握することは、情報セキュリティを確保するための基本です。資産目録を作成することで、組織内で管理される情報資産が明確化され、セキュリティ対策を適切に講じるための出発点となります。

2. 資産目録に含まれる項目

資産目録には、次のような情報が含まれます。
情報資産: 組織が扱うデータや機密情報など、デジタルおよび紙媒体の情報全般。
ハードウェア資産: サーバー、パソコン、ネットワーク機器、モバイルデバイスなど。
ソフトウェア資産: アプリケーションソフト、オペレーティングシステム、ライセンスなど。
人的資産: 情報にアクセスする従業員、契約者、外部委託先など。
サービス資産: クラウドサービス、通信サービス、外部提供のITサービスなど。

3. 資産の分類と管理

資産を単にリストアップするだけでなく、それぞれの資産がどのような性質を持ち、どれだけ重要であるかを分類することも重要です。資産の分類は、機密性(Confidentiality)、完全性(Integrity)、**可用性(Availability)**の観点から行います。この「CIAトライアングル」に基づいて資産の重要度を評価することで、どの資産が最もリスクに晒されやすく、優先的に保護すべきかが明確になります。
また、資産ごとに所有者を定め、資産の管理責任を明確にすることも必要です。資産の所有者は、その資産に関連するリスクを評価し、適切な対策を実施する責任を負います。

4. リスク管理と対応

ISO 27001では、情報資産が特定され分類された後、その資産が直面するリスクを評価し、適切なリスク対応策を講じることが求められます。例えば、重要なデータに対しては暗号化を行い、不正アクセスを防止するためにアクセス制御を強化するなどの具体的な対策が必要です。また、バックアップの取得や災害対策(DR)などもリスク対応の一環として行われます。

5. 継続的な見直しと更新

資産目録は一度作成したら終わりではありません。情報資産は常に変化し、新しい技術やシステムの導入、従業員の入退社などによってその構成は常に変わります。そのため、定期的な見直しと更新を行うことが必要です。また、重大な変更があった場合には、即座に資産目録を更新し、それに応じたリスク対策も見直すことが求められます。

まとめ

「情報及びその他の関連資産の目録」は、情報セキュリティ管理システム(ISMS)の基盤を形成する重要な要素です。資産目録を作成し、資産を適切に管理することで、情報資産に対するリスクを効果的に軽減し、組織全体のセキュリティレベルを向上させることが可能です。ISO 27001の要求に従い、定期的に資産の見直しと更新を行うことも、セキュリティ管理を強化する上で欠かせません。

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